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線型代数学における直積(ちょくせき、)あるいは外積(がいせき、)は典型的には二つのベクトルのテンソル積を言う。の外積をとった結果は行列になる。外積の名称は内積に対照するもので、内積はベクトルの対をスカラーにする。外積は、クロス積の意味で使われることもあるため、どちらの意味で使われているか注意が必要である。 : ベクトル同士の外積は行列のクロネッカー積の特別な場合である。 「テンソルの外積」を「テンソル積」の同義語として用いる文献もある。外積は R, APL, Mathematica などいくつかの計算機プログラム言語では高階函数でもある。 == 定義 == === 行列表現 === ふたつのベクトル の外積 は、 を 列ベクトル、 を 列ベクトル(従って は行ベクトル)としたときの行列の積 に等価である〔Linear Algebra (4th Edition), S. Lipcshutz, M. Lipson, Schaum’s Outlines, McGraw Hill (USA), 2009, ISBN 978-0-07-154352-1〕。成分を用いて : と書けば、外積 は 行列 で各成分は の各成分と の各成分の積であたえられ〔Encyclopaedia of Physics (2nd Edition), R.G. Lerner, G.L. Trigg, VHC publishers, 1991, (Verlagsgesellschaft) 3-527-26954-1, (VHC Inc.) 0-89573-752-3 〕、 : と表される。 複素ベクトルの場合には、これを少し変えて、 の転置の代わりに共軛転置 を用い、 : とする。つまり得られる行列 は の各成分と の各成分の複素共軛との積を成分とするものになる。 ; 内積との対比 : のときは別な仕方で行列の積を施してスカラー( 行列)が得られる。つまり、数ベクトル空間の標準内積(点乗積) である。内積は外積のトレースに等しい。 ; 行列としての階数 : がともに非零ならば、外積 の行列としての階数は常に である。このことを見るにはベクトル に掛けて とすればよい。これはベクトル のスカラー -倍に他ならない。 : ("行列の階数" を ("order" / "degree") と混同してはならない)。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「直積 (ベクトル)」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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